僕の働いている大学に MRI の研究をしている先生がいます。何年か前、MRI の基礎を作ったポール・ローターバーとピーター・マンスフィールドがノーベル賞をとった時、その人は自分のオフィスの扉に誇らしげにそのことが描かれた記事のコピーを張っていました。それが僕には理解できなかったのです。だって、もし自分が MRI の研究をしていたとしたら、その人たちは競争相手だったわけです。で、その競争相手がノーベル賞をとったら、僕だったら悔しいだろうなあと思うわけです。まあ、僕が人一倍負けん気が強いというのはありますが。だから、他人、しかも自分の競争相手が賞をとった記事を誇らしげに掲示しているその先生の気持が、やっぱりいまいち、わからなかったのです。
僕がいま従事している研究テーマには世界中にたくさんの競争相手がいます。負けると、それは悔しいです。いや、正確には「負けたと思うこと」が悔しいのかもしれません。だって、別に、誰かが勝ち負け決めるわけではないですから。自分たちのシステムの速度が競争相手より遅かった時、自分たちの作った装置の感度が競争相手より低かった時、自分たちの撮影した画像が競争相手のそれより汚かった時。やっぱり、「負けた」と思うのです。そして、悔しくなります。「次こそは負けたくない!」とか思うのです。こんにゃろー!とか思うのです。
そういう風にして競争を続けいていると、そのうち、競争相手を強く意識するようになります。強く強く意識すると、穴があくほど相手の一挙手一投足を見るようになります。相手が何をやっても気になるんですね。一応言っておくと、ほんとに相手の体の動きをみるわけではないですよ。相手の戦略とか、技術とか、ほんとにぎっちり観察します。相手の出した論文も穴があくほど読みます。また、これが悔しいのです。相手の書いたものを必死に読むことが。自分が負けてる事を真正面から認めてるようで。
そういう怨讐の生活を続けていると、なんだか変な気持になってくるんですね。全然関係ない第三者が、その競争相手のことをしたり顔で語ったりすると、なんか、腹が立つようになるのです。「お前にあいつの何がわかんだよ!」みたいな。多分、相手の書いたものを読み込んだり、相手のちょっとした発言について何日も何日も考えたり、そんなことをしているうちに、自分の生き方がそいつに影響を受け出しているんだと思います。そして、自分の生き方に影響を与える誰かがいるならば、それば、僕はその人を尊敬している、ということなのでしょう。本人には自覚はないんでしょうが。
そうなると今度は、関係ない誰かがそういう相手のことを悪く言うと、逆に腹が立ったりするわけです。自分だって関係ないのに。さらには、自分の人生のなかの大きな決断について、その競争相手に相談したりもするわけです。相手としてはいい迷惑でしょうが。
先日、イギリスのカーディフ大学の ヴォルフガング・ドレクスラー (Wolfgang Drexler) が コーガン・アワード (Cogan Award) という賞を受賞しました。眼科学に貢献した40歳以下の研究者に贈られる、なんだかすごく名誉な賞です。このドレクスラー、僕から見ると、競争相手です。向こうは僕なんて眼中にないのでしょうが。何せ、僕たちなんて世界では全くの無名に等しいですから。
そんな競争相手のドレクスラー がそんなすごい賞を受賞しました(僕をさしおいて!)。そして、先日、その受賞記念講演が ARVO(アメリカの視覚眼科学会)の総会の中で、行われました。ドレクスラーが今までの彼の研究と、その中で彼が見てきたことを紹介し終わった時、会場の聴衆は席を立って拍手していました。僕も席を立って拍手していました。
拍手も静かになって、みんなが徐々に帰っていきました。僕はドレクスラーのところまで行って、おめでとうをいって、握手をして、それから帰りました。こんにゃろー!が賞をとったことが、僕は涙が出るほど嬉しかったのです。あんまり嬉しいので、彼の受賞記事、僕たちのオフィスの扉に張ろうかなあ、と、思うぐらいです。
Joschi
2007年4月5日木曜日
立場がかわりました。実は。
先日 4 月 1 日をもって、僕の筑波大学での立場が替わりました。3月までは「助手」(しかも非常勤)だったのですが、4 月 1 日をもって半常勤の「助教」になりました。「助教」です。「助教授」じゃなくて。わかりにくいですね。
実は、本年度から、国立大の職制がかわったのです。今までの大学は「教授」→「助教授」→「講師」→「助手」、という階級制だったのです。これからは「教授」→「準教授」→「助教」という階級制になります。階級です。やっぱり。そして「助教」というのは、今までの講師と助手を合わせた階級らしいです。筑波大学の場合は助手と講師と助教は、給料が同じです、ちなみに。周りからは「昇進おめでとうございます」と言われるのですが、昇進ではないですね。給料上がらないんですから。まあ、僕の場合は、もともとの助手の契約が今年3月までだったので、助教になれたおかげで首がつながったわけですが。
助教と助手、給料はかわらないのですが、仕事はすこし違うようです。助手はあくまでも「教授の研究の補助」が仕事。「研究」が仕事ではないんですね。一方の助教は「研究と教育」が仕事です。まあ、助手の仕事である「教授」の研究の補助ってのはあまりにも現実を見てない定義だったわけです。だって、研究は助手の仕事で、教授は研究しないですもん。こう言うと教授を非難してるようですが、逆です。教授クラスになったら、研究実務なんてしてないで、ちゃんと組織のオーガナイズをして欲しいのです。それが教授の仕事ですし、劫を経て経験積んだ教授クラスしか出来ない専門職でもあります。一方で研究実務は、若い頭で無茶も出来る助手クラスでないとこなせません。
助教という仕事、僕なりに解釈するに「研究もして、グループのオーガナイズもする」そんなマルチな仕事だと思います。やりがいあります。まあ、最近は体力に限界も感じるわけですが、へとへとになったまだ先に、いままで見れなかった景色があるような気もします。だから、やってみようと思います、助教。
安野を助教にするにあたり、学内ではなかり反対意見もあったようです。安野は研究以外の仕事はしないんじゃないかと。実際いままでしてませんでしたし。だって、それは、最初に依頼をうけた職務ではなかったですから。でも、まあ、自分、仕事だったらなんでもやりますよ。それが正式に職務であれば。給料、それでもらうわけですし。
それになりより、いろいろ一生懸命やった先でしか、新しい景色は見えないとおもいますから。
Joschi
実は、本年度から、国立大の職制がかわったのです。今までの大学は「教授」→「助教授」→「講師」→「助手」、という階級制だったのです。これからは「教授」→「準教授」→「助教」という階級制になります。階級です。やっぱり。そして「助教」というのは、今までの講師と助手を合わせた階級らしいです。筑波大学の場合は助手と講師と助教は、給料が同じです、ちなみに。周りからは「昇進おめでとうございます」と言われるのですが、昇進ではないですね。給料上がらないんですから。まあ、僕の場合は、もともとの助手の契約が今年3月までだったので、助教になれたおかげで首がつながったわけですが。
助教と助手、給料はかわらないのですが、仕事はすこし違うようです。助手はあくまでも「教授の研究の補助」が仕事。「研究」が仕事ではないんですね。一方の助教は「研究と教育」が仕事です。まあ、助手の仕事である「教授」の研究の補助ってのはあまりにも現実を見てない定義だったわけです。だって、研究は助手の仕事で、教授は研究しないですもん。こう言うと教授を非難してるようですが、逆です。教授クラスになったら、研究実務なんてしてないで、ちゃんと組織のオーガナイズをして欲しいのです。それが教授の仕事ですし、劫を経て経験積んだ教授クラスしか出来ない専門職でもあります。一方で研究実務は、若い頭で無茶も出来る助手クラスでないとこなせません。
助教という仕事、僕なりに解釈するに「研究もして、グループのオーガナイズもする」そんなマルチな仕事だと思います。やりがいあります。まあ、最近は体力に限界も感じるわけですが、へとへとになったまだ先に、いままで見れなかった景色があるような気もします。だから、やってみようと思います、助教。
安野を助教にするにあたり、学内ではなかり反対意見もあったようです。安野は研究以外の仕事はしないんじゃないかと。実際いままでしてませんでしたし。だって、それは、最初に依頼をうけた職務ではなかったですから。でも、まあ、自分、仕事だったらなんでもやりますよ。それが正式に職務であれば。給料、それでもらうわけですし。
それになりより、いろいろ一生懸命やった先でしか、新しい景色は見えないとおもいますから。
Joschi
2007年3月31日土曜日
山成君が論文を投稿しました
すこし前の話になりますが、COG の山成君(blog)が論文を投稿しました。タイトルは “Phase retardation measurement of retinal nerve fiber layer by polarization-sensitive spectral-domain optical coherence tomography and scanning laser polarimetry” 。投稿先は Journal of Biomedical Optics です。眼底の視神経乳頭の周りを偏光OCTで撮影して、そこから視神経繊維の厚さを求める方法に関する論文です。さて、無事採択されるでしょうか…
2007年3月27日火曜日
高侵達眼底 OCT の臨床試験を開始しました
眼底検査装置としての OCT の最初の商業モデルが登場したのは 1996 年でした。その後、計測時間を飛躍的に短縮し、3 次元の眼底構造の計測を可能にした FD-OCT の最初の製品が病院の眼科に導入されたのが昨年(2006年)の事です。ここまで、全ての眼底検査用 OCT は 830 nm 付近のプローブ光帯域を使ってきました。
ところが、ここ数年、新しいプローブ波長帯域が注目をあつめています。以前、このブログのレビューでも触れた 1 um という帯域です。Vienna Medical University(現 Cardiff University)や MGH (Massachusetts General Hospital)のグループが指摘しているように、この波長帯域を用いたOCTは、従来のOCTよりも、より深くの構造が見えることがわかっています。眼底で言えば、網膜のさらに下、「脈絡膜」が高いコントラストで観察できるのです。
MGH には遅れをとったものの、COGにおいても(株)サンテックで開発された 1 um 帯域の光源をキーデバイスとして眼底検査用の FD-OCT の開発、および、応用研究を進めてきました。そして、ついに、筑波大学の倫理委員会の承認をうけ、ようやっと、臨床試験を開始しました。
最初のターゲットにしている疾患は加齢黄斑変性(AMD)です。欧米では中途失明原因の第一。日本でも増えてきている病気です。COGではすでに何例かの検査を終了し、1 um OCT が従来の OCT よりも優れているころ、逆に、従来のOCTと同じ程度の情報しか得られないところがわかってきました。
この結果は、5月はじめにフロリダで開かれる米眼科学会 (ARVO) で報告する予定です。
Joschi
ところが、ここ数年、新しいプローブ波長帯域が注目をあつめています。以前、このブログのレビューでも触れた 1 um という帯域です。Vienna Medical University(現 Cardiff University)や MGH (Massachusetts General Hospital)のグループが指摘しているように、この波長帯域を用いたOCTは、従来のOCTよりも、より深くの構造が見えることがわかっています。眼底で言えば、網膜のさらに下、「脈絡膜」が高いコントラストで観察できるのです。
MGH には遅れをとったものの、COGにおいても(株)サンテックで開発された 1 um 帯域の光源をキーデバイスとして眼底検査用の FD-OCT の開発、および、応用研究を進めてきました。そして、ついに、筑波大学の倫理委員会の承認をうけ、ようやっと、臨床試験を開始しました。
最初のターゲットにしている疾患は加齢黄斑変性(AMD)です。欧米では中途失明原因の第一。日本でも増えてきている病気です。COGではすでに何例かの検査を終了し、1 um OCT が従来の OCT よりも優れているころ、逆に、従来のOCTと同じ程度の情報しか得られないところがわかってきました。
この結果は、5月はじめにフロリダで開かれる米眼科学会 (ARVO) で報告する予定です。
Joschi
2007年3月25日日曜日
応用光学懇談会(大阪)に現れます
3月26日(この月曜日)に大阪で開催される応用物理学懇談会でしゃべります。
タイトルは『光コヒーレンストモグラフィーによる皮膚内小組織の観察』。もっとも、ほんとは何しゃべるかまだきめてません。スライドも一枚もできてません。本番までにテンション上げておきます。なにがでるかは当日のおたのしみってことで。
Joschi
続報: 無事終了しました。結局演題は「光コヒーレンストモグラフィーによる3次元皮膚観察―『色』のついたOCT」としました。講演資料などご希望の方は安野までご連絡ください(連絡先は右のプロフィール参照)。全ての再配布はできないのですが、出来る範囲で資料お送りします。
タイトルは『光コヒーレンストモグラフィーによる皮膚内小組織の観察』。もっとも、ほんとは何しゃべるかまだきめてません。スライドも一枚もできてません。本番までにテンション上げておきます。なにがでるかは当日のおたのしみってことで。
Joschi
続報: 無事終了しました。結局演題は「光コヒーレンストモグラフィーによる3次元皮膚観察―『色』のついたOCT」としました。講演資料などご希望の方は安野までご連絡ください(連絡先は右のプロフィール参照)。全ての再配布はできないのですが、出来る範囲で資料お送りします。
2007年3月23日金曜日
ECBO の採択が決定しました
今年6月にミュンヘンで開催される国際会議 ECBO 2007 (European Conference on Biomedical Optics 2007)の採択が決定しました。COG の今回の採択率は 100%。以下の4件の口頭発表が採択されました。
Joschi
- “Scattering optical coherence angiography with 1-um swept source optical coherence tomography”(発表者: COG 安野嘉晃)
- “Phase retardation measurement of retinal nerve fiber layer using polarization-sensitive spectral domain optical coherence tomography and scanning laser polarimetry”(発表者:COG 山成正宏)
- “Optical coherence angiography for the retina and choroid”(発表者:COG 巻田修一)
- “Polarization-sensitive Fourier-domain optical
coherence tomography for the imaging the anterior segment disorder of the
eyes”(東京医大:三浦雅博)
Joschi
2007年3月16日金曜日
新ブランド「COOG」を立ち上げます
筑波大学眼科のOCTグループ、東京医科大学眼科のOCTグループといっしょに新ブランドを立ち上げることになりました。新しいブランド名は Computational Optics and Ophthalmology Group。略してCOOG (シー・ダブルオー・ジー)です。今後、COGからの眼科に関する研究発表は従来のブランドCOGとCOOGの二重所属で行われることになります。
大学の研究室では往々にして教授の名前がブランド名として使われます。誰々研究室、と。でも、そういうブランドって、教授が引退したら終わりなんですね。そして、個人名=ブランドという状態が続く限り、そのブランドは個人の、そして、個人の所属している組織のスケールを超えられないのではないかと思うわけです。
日本の大学の研究組織とアメリカのそれとを比較して気づくことがあります。日本では一個一個の組織の規模が小さいのです。じゃあ、この組織規模という壁を越えるにはどうすればいいのか?それに対して、僕が考えたことが「ブランドと個人、さらにはブランドと大学、を分離することで、教授という個人、大学という小組織を超えた、より大きな研究組織を作ることができるのではないか」と、いうことです。そして、それが、僕がCOGを立ち上げた最初のきっかけでもあります。周りがCOEという、国の政策の下の組織としての箱物行政を推進する中、COGは僕が組織の中身にこだわり続けた上での、僕なりの回答の一つでもあります。
そんなCOGも、歴史的な役目を終えようとしています。呉の孫家も、孫堅、孫策、孫権と代を重ねながら前に進みました。眼科に関する部分では、COGはその役割をCOOGに渡していこうと思います。そして、それは、研究組織の中身が、COGでは受け入れられないほど成長していったということだと思います。
願わくば、COOGが、僕が働きたくてやまないような、勢いと楽しさにあふれた実のある組織にんならんことを。そしていつか、COOGもその歴史的な役割を終え、より大きな魅力的なグループのできることを。
Joschi
大学の研究室では往々にして教授の名前がブランド名として使われます。誰々研究室、と。でも、そういうブランドって、教授が引退したら終わりなんですね。そして、個人名=ブランドという状態が続く限り、そのブランドは個人の、そして、個人の所属している組織のスケールを超えられないのではないかと思うわけです。
日本の大学の研究組織とアメリカのそれとを比較して気づくことがあります。日本では一個一個の組織の規模が小さいのです。じゃあ、この組織規模という壁を越えるにはどうすればいいのか?それに対して、僕が考えたことが「ブランドと個人、さらにはブランドと大学、を分離することで、教授という個人、大学という小組織を超えた、より大きな研究組織を作ることができるのではないか」と、いうことです。そして、それが、僕がCOGを立ち上げた最初のきっかけでもあります。周りがCOEという、国の政策の下の組織としての箱物行政を推進する中、COGは僕が組織の中身にこだわり続けた上での、僕なりの回答の一つでもあります。
そんなCOGも、歴史的な役目を終えようとしています。呉の孫家も、孫堅、孫策、孫権と代を重ねながら前に進みました。眼科に関する部分では、COGはその役割をCOOGに渡していこうと思います。そして、それは、研究組織の中身が、COGでは受け入れられないほど成長していったということだと思います。
願わくば、COOGが、僕が働きたくてやまないような、勢いと楽しさにあふれた実のある組織にんならんことを。そしていつか、COOGもその歴史的な役割を終え、より大きな魅力的なグループのできることを。
Joschi
2007年3月11日日曜日
中村君が卒業します
先週金曜日2007年3月9日が中村君のCOGにおける仕事納めでした。
3年前、彼が卒論研究生として来た年、COGでは初の新入生面接を行いました。その時きちんと挨拶をしなかったことで注意を受け、ドアから入るところからやり直させられたチャラい兄ちゃんが、もう一人前に修士です。毎日顔を見ていると、たいして成長してないような気がするのに、こうやって3年前を思い返すと、全く別人のようなのが不思議です。
先輩と組んでファイバー型のSD-OCT装置を作ったのが4年生、その後の修士コースでは遠藤君のあとを継いでラインフィールドSD-OCTの開発を行いました。遠藤君のあとを継いだとはいうものの、実際には中村君が組み替えた全く新しいシステムです。まず、設計をして、仮組みをして、最初の画像を取得して。で、その画像が汚かったことから彼の解析人生が始まりました。
ラインフィールドSD-OCTではどうして画像が汚くなるのか、コヒーレントクロストークの解析に始まり、COGでは誰も技術をもっていなかった系の収差解析にもどっぷりでした。本を読んだり(勝手に)勉強会に参加したりして独力で勉強していきました。そして、彼なりに出した結論は彼の修士論文と、そして先日投稿した論文“High-speed 3D human retinal imaging by line-field spectral domain optical coherence tomography”にまとめられています。
系の解析が終了し、ここから系の改良!と、いうところで卒業なところが惜しまれます。でも、ここで仕事をかえるのもいいかもしれません。中村君は4月からはブラザーで向上をつづけていくようです。
修士論文も投稿論文も終わり、仕事の引継ぎも終わり、あと数日で仕事納めというときに、「まだ理解し切れてないところがあるので」といってコンフォーカル検眼鏡の論文を読んでいる、そういう向上心が印象的でした。
3年間、立派にやっていたと思います。中村佳史に敬意!!!そして、願わくは、またもう一度いっしょに働けることを。君と働く事は、僕自身の向上心を刺激します。
Joschi
3年前、彼が卒論研究生として来た年、COGでは初の新入生面接を行いました。その時きちんと挨拶をしなかったことで注意を受け、ドアから入るところからやり直させられたチャラい兄ちゃんが、もう一人前に修士です。毎日顔を見ていると、たいして成長してないような気がするのに、こうやって3年前を思い返すと、全く別人のようなのが不思議です。
先輩と組んでファイバー型のSD-OCT装置を作ったのが4年生、その後の修士コースでは遠藤君のあとを継いでラインフィールドSD-OCTの開発を行いました。遠藤君のあとを継いだとはいうものの、実際には中村君が組み替えた全く新しいシステムです。まず、設計をして、仮組みをして、最初の画像を取得して。で、その画像が汚かったことから彼の解析人生が始まりました。
ラインフィールドSD-OCTではどうして画像が汚くなるのか、コヒーレントクロストークの解析に始まり、COGでは誰も技術をもっていなかった系の収差解析にもどっぷりでした。本を読んだり(勝手に)勉強会に参加したりして独力で勉強していきました。そして、彼なりに出した結論は彼の修士論文と、そして先日投稿した論文“High-speed 3D human retinal imaging by line-field spectral domain optical coherence tomography”にまとめられています。
系の解析が終了し、ここから系の改良!と、いうところで卒業なところが惜しまれます。でも、ここで仕事をかえるのもいいかもしれません。中村君は4月からはブラザーで向上をつづけていくようです。
修士論文も投稿論文も終わり、仕事の引継ぎも終わり、あと数日で仕事納めというときに、「まだ理解し切れてないところがあるので」といってコンフォーカル検眼鏡の論文を読んでいる、そういう向上心が印象的でした。
3年間、立派にやっていたと思います。中村佳史に敬意!!!そして、願わくは、またもう一度いっしょに働けることを。君と働く事は、僕自身の向上心を刺激します。
Joschi
2007年3月5日月曜日
中村君が論文を投稿しました
中村君が論文を投稿しました。タイトルは
"High-speed 3D human retinal imaging by line-field spectral domain optical coherence tomography." 投稿先は Optics Express です。
修士の2年間こつこつとやってきたことを最後にまとめた論文。共著の僕が読んでも、良くかけた論文です。読んでいて新鮮な面白さがあります。自分たちがもうわかりきっていると思っていたシステムに関する論文なのに、丁寧に解析していけばこんなにも面白いことがあるのか、と思わせます。
できれば、無事査読を通過して、世界中の不思議な尊敬するライバル達に呼んで欲しいです。
Joschi
"High-speed 3D human retinal imaging by line-field spectral domain optical coherence tomography." 投稿先は Optics Express です。
修士の2年間こつこつとやってきたことを最後にまとめた論文。共著の僕が読んでも、良くかけた論文です。読んでいて新鮮な面白さがあります。自分たちがもうわかりきっていると思っていたシステムに関する論文なのに、丁寧に解析していけばこんなにも面白いことがあるのか、と思わせます。
できれば、無事査読を通過して、世界中の不思議な尊敬するライバル達に呼んで欲しいです。
Joschi
2007年3月2日金曜日
COG web site 再開
COG の web site が再開しました。昨年10月の停電時にサーバのハードディスクがクラッシュして以来、5ヶ月ぶりの再開です。まだ、クラッシュ時のページをリストアしただけですが、徐々にアップデートしていきます。
2007年2月21日水曜日
ホン君が論文投稿しました
ホン君が論文を投稿しました。タイトルは“Three-Dimensional Visualization of Choroidal Vessels by Using Standard and Ultra-High Resolution Scattering Optical Coherence Angiography”。投稿先は Optics Express です。
ホン君は KAIST からの研修学生。1年半前の8月にCOGにやってきました。最初の半年は、いろいろ考えていたらすぎていきました。次の半年は巻田君といっしょに超高分解能の眼底計測用 SD-OCT を作りました。そして、そのプロジェクト終盤から、今回投稿した論文のテーマ、“Scattering Optical Coherence Angiography”の開発をはじめました。
最初は、COG の元メンバー堀君が開発した皮膚用のセグメンテーションアルゴリズムをぱくるところから。次に、それを眼底に適用、脈絡膜血管の3次元構造の可視化に着手しました。
途中、安野にアルゴリズムの致命的なミスを指摘され、大幅な作り直しが数度。かなり強くダメだしされたこともありました。でも、持ち前の粘り強さで、安野の強い叱責もすべてポジティブにとらえ、着々と努力を続けていました。
最初は、なんとかマイナージャーナルにでも滑り込ませられないかとと考えました。でも、ホン君持ち前の粘り強さで改良に改良を重ね、今年1月の Photonics West のスライドが完成した時、僕は思わず“Excelent!”といいました。(まあ、そのあと、また一度だめだしされるのですが。)
そんな一年半の努力が、12ページの論文と12個のムービーにまとまりました。本日夜10時、無事 Optics Express へ投稿完了。レビュアーから建設的なレビューが戻ってきて、いまよりさらにいい論文へと改訂され、出版されればいいなあと思います。
ホン君は KAIST からの研修学生。1年半前の8月にCOGにやってきました。最初の半年は、いろいろ考えていたらすぎていきました。次の半年は巻田君といっしょに超高分解能の眼底計測用 SD-OCT を作りました。そして、そのプロジェクト終盤から、今回投稿した論文のテーマ、“Scattering Optical Coherence Angiography”の開発をはじめました。
最初は、COG の元メンバー堀君が開発した皮膚用のセグメンテーションアルゴリズムをぱくるところから。次に、それを眼底に適用、脈絡膜血管の3次元構造の可視化に着手しました。
途中、安野にアルゴリズムの致命的なミスを指摘され、大幅な作り直しが数度。かなり強くダメだしされたこともありました。でも、持ち前の粘り強さで、安野の強い叱責もすべてポジティブにとらえ、着々と努力を続けていました。
最初は、なんとかマイナージャーナルにでも滑り込ませられないかとと考えました。でも、ホン君持ち前の粘り強さで改良に改良を重ね、今年1月の Photonics West のスライドが完成した時、僕は思わず“Excelent!”といいました。(まあ、そのあと、また一度だめだしされるのですが。)
そんな一年半の努力が、12ページの論文と12個のムービーにまとまりました。本日夜10時、無事 Optics Express へ投稿完了。レビュアーから建設的なレビューが戻ってきて、いまよりさらにいい論文へと改訂され、出版されればいいなあと思います。
2007年2月19日月曜日
2007年2月13日火曜日
COG won Pascal Rol Award
Ophthalmic Technologies, BiOS, Photonics West 2007 で発表した
" Clinical examinations of anterior eye segments by three-dimensional swept-source optical coherence tomography"
が Pascal Rol Award を受賞しました。 2004年1月始めて Photonics West を見て、日本の生体光学が世界から取り残されている事実に打ちのめされてから3年。ようやく、世界のしっぽまでたどり着きました。でも、まだまだです。世界にはすごいやつがいっぱいいます。そんな人たちの中で仕事ができる自分たちは、ほんとに、ついてるなあと思います。
Joschi
"
が Pascal Rol Award を受賞しました。 2004年1月始めて Photonics West を見て、日本の生体光学が世界から取り残されている事実に打ちのめされてから3年。ようやく、世界のしっぽまでたどり着きました。でも、まだまだです。世界にはすごいやつがいっぱいいます。そんな人たちの中で仕事ができる自分たちは、ほんとに、ついてるなあと思います。
Joschi
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