2007年5月5日土曜日

ダメ人間はゴミを捨てないの法則。そして、ゴミ収集カレンダー RSS のレビュー。

ダメ人間って、どういう人間の事をいうのでしょうか。いや、ほんとに嫌な奴って意味ではなくて、なんとなく、なんとも憎めない愛すべきダメ人間というか、まあ、そういう意味で。どうやら、そういうダメ人間の条件の一つは「ゴミを捨てずに部屋にためこむ人間」のようです。


仕事関係で僕を知っている人は、当然知っているのだと思いますが、僕は大学で教員をやって生計をたてています。ところが、この事、仕事以外の僕の知り合いの間ではあまり知られていません。いや、隠しているわけではないのです。でも、みんなあんまり信じてくれないのです。なにより、みんななんとなく、僕の風貌から、僕が安定収入のある職に就いているとは思っていないようです。いままで勘違いされていた中で一番まともだったのが「自称イラストレーター」と「自称ライター」。さすがに「イラストレーター」は違いますが、「ライター」は当たらずしも遠からずです。論文書くのが仕事ですから。

あと、なかなか卒業できなくて年とった学生だと思われてることもよくあります。「いつ卒業すんの?」と聞かれたり。学会に行ったときに「筑波大で OCT の研究なさってるんですか?じゃあ、安野先生のところの学生さんですか?」と聞かれたこともあります。その時は「あ、まあ、そんなところです」と答えておきました。

こんな風に、いろいろ言われる僕ですが、一番広く信じられているのが「安野フリーター説」です。さすがに 32 歳で一人暮らしですから、仕事はしてると思われてるようです。猫も養わないといけませんし、収入0では生きていけませんから。でも、定職に就いているとも思われていないようです。しかも、その知人たちは漠然とそう思ってるだけではなく、どうやら、信じ込んでいるのです。たぶん、そう信じ込んでる別の誰かから聞いたのでしょう。「そういや、安野君って、仕事なにしてんのかな?」「フリーターでしょ?」とか。「ああ、なるほどねー。それっぽい。それっぽい。」とか。で、真剣な顔で「安野君、もう若くないんだから、そろそろちゃんとした仕事見つけた方がいいよ」と説教されたりするのです。まあ、そう言われて「そうですねー。なんかいい仕事ないですかねー」と本気で転職を思う僕も困ったものなのですが。

どうして僕は三十二にもなって、特に根拠なく、こんな風にみんなに思い込まれているのかと、それで僕は考えてみたわけです。僕の結論は… たぶん、オーラが出てるんですね。ぷらっぷら生きてるオーラが。憎めないけど頼りにもならないオーラが。たぶんうなじのあたりから、ゆらっゆらと、中途半端に灰色とか、そういう頼りない色のオーラが。


先日、高知の友人から「お花見やるよ」と連絡をうけました。ぷらっぷらオーラ全開の僕は即答で「行きます!」と答え電車に飛び乗りました。お花見やると四国から連絡を受け、一も二もなく出かけることも安野フリーター説の原因になっているとは思うのですが、それは、まあ、いいのです。で、そのお花見に行った先の高知で、友人と帯屋町に飲みに行ったのです。で、そこで会った初対面の人と話しているうちに、こう言われました。「あれ?安野君、ひょっとしてダメ人間?」僕「あ、はい、そうです。よく言われます」「ようこそ高知へ!ダメ人間!」と。そしてその後つづけて言われたのです。「とりあえず、ゴミは捨てような」と。

(!!!)びっくりです。確かに、うちの台所にはゴミの日に捨てそびれたビールの空き缶が転がっています。一応ゴミ袋には詰めてありますが、でも、それが4袋も。ただ、そんな話、全然まったくしてないのです。ところがなんか、ばれてるのです。いや、たぶん、ばれているのではないのです。推測されたのです。「ダメ人間はゴミを捨てない」の法則なのです。たぶん、いままで僕が知らなかっただけで、世の中にはそういう真実があるのです。


それをきっかけに僕はダメ人間からの脱出を心にきめました。かなりゆるい決意ですが。で、そのための駄一歩として「ゴミは捨てよう」と決意したのです。ゴミを捨てて身も心も軽やかに、第一宇宙速度[1]を超えてダメ人間から脱出です!

ところが、襟元から灰色のオーラを出し続けている僕にはあいにくと、「ゴミを捨てる」ただこれだけのことが出来ないのです。最大の敵は、(僕にとっては)複雑怪奇なゴミ収集日程です。燃えるごみはまだしも、カンとか、ビンとか、ペットボトルとか、燃えないこいつらを、どのタイミングで出していいいのかわからんということです。「ゴミ収集カレンダー」を見ればわかるのでしょうが、そんなのまめにチェックできるぐらいならハナから灰色のオーラなんて漂わせていないのです!

そんな僕についに救世主が現れました。それが「つくば市ごみ収集カレンダー」の「RSS」です。いやあ、便利に世の中になったものです。ゴミ収集も IT 化の時代です。この RSS、自分の使ってるリーダーに登録しておけば「今日収集予定」を毎日教えてくれるわけです。夜中の12時に更新されますから、寝る前にチェックして、ゴミをまとめて、ゆっくり寝て、翌朝出勤の時にゴミを出していけます。

まだ使い始めて一週間ほどですが、我が家にたまっていたゴミ、だいぶ減りました。この調子でいけば、心も軽く第一宇宙速度を超えられる日も近いでしょう。ただ、問題は第一宇宙速度を超えただけでは、ダメ人間の周りを周回するダメ衛星にしかなれないことですが…。

ダメ人間脱出のための第二宇宙速度[2]への道のりはまだまだ遠いようです。

Joschi

[1] 第一宇宙速度:地球の大気圏から脱出するためにロケットが必要とする打ち上げ速度です。これを超えるとロケットは大気圏を脱出し、衛星軌道に乗ることができます。
[2] 第二宇宙速度:地球の重力を振り切り太陽周回軌道に乗るために必要な速度です。詳しくは、たとえばWikipedia 日本語版の記事参照。

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